2026年1月23日
神奈川県藤沢市辻堂の歯医者、トータル歯科・矯正歯科湘南辻堂の理事長 高橋真広です。
今回は、「酢で歯が溶けるのかについて」お話をしていきます。
【目次】
1.酢は体に良い?歯にはどうか
2.歯が溶ける「酸蝕症」とは
3.なぜ酢で歯が溶けると言われるのか
4.酢が原因で起こりやすい歯のトラブル
5.酢を摂っても歯を守る方法
6.酢をよく摂る人が気をつけたい生活習慣
7.歯が溶けているかどうかの見分け方
8.まとめ
1. 酢は体に良い?歯にはどうか
近年、健康志向の高まりとともに、「お酢は体にいい」「血糖値を下げる」「疲労回復に良い」といった情報をよく目にするようになりました。
実際に、黒酢・りんご酢・穀物酢などは、健康や美容を意識して毎日摂取している方も多いのではないでしょうか。
しかし歯科医師の立場から見ると、「酢=歯にやさしい」とは言い切れない側面があります。
その理由が、「酸」による影響です。
2.歯が溶ける「酸蝕症」とは
歯が溶ける現象は、虫歯だけが原因ではありません。
実は、酸によって歯が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」という状態があります。
酸蝕症とは、飲食物に含まれる酸によって歯の表面(エナメル質)が溶かされる現象です。
歯はとても硬い組織ですが、pH5.5以下の酸性環境になると、少しずつ溶け始めます。
酢のpHはおよそ2~3程度。
これは、歯にとってはかなり強い酸性なのです。
3.なぜ酢で歯が溶けると言われるのか
酢を摂取すると、口の中が一時的に強い酸性状態になります。
その状態が続くと、歯の表面が柔らかくなり、以下のような変化が起こります。
・表面のツヤがなくなる
・歯が白く濁る
・冷たいものがしみる
・歯が薄くなったように感じる
特に注意が必要なのは、「健康のために頻繁に少量ずつ飲む」習慣です。
例えば、
・水や炭酸水に酢を入れてちびちび飲む
・食後すぐに酢の物を摂る
・就寝前に酢ドリンクを飲む
このような行動は、歯が酸にさらされる時間を長くしてしまうため、知らないうちに酸蝕症を進行させる原因になります。
4.酢が原因で起こりやすい歯のトラブル
酢を頻繁に摂取している方に多く見られる症状には、以下のようなものがあります。
・知覚過敏
冷たい水や風がしみる症状が出やすくなります。
・歯の透明感が増す
歯の先端が透けたように見えることがあります。
・歯の欠け・すり減り
エナメル質が弱くなり、欠けやすくなります。
・虫歯になりやすい
酸で歯が弱った状態は、虫歯菌にも攻撃されやすくなります。
特に、ホワイトニングをしている方や矯正治療中の方は注意が必要です。
5.酢を摂っても歯を守る方法
酢は決して悪者ではありません。
正しい摂り方をすれば、歯へのダメージを最小限にできます。
・酢は食事と一緒に摂る
単体で飲まず、食事と一緒に摂ることで酸の影響を和らげます。
・ストローを使う
歯に直接触れにくくなり、酸蝕を軽減できます。
・すぐに歯を磨かない
酸性環境の直後は歯が柔らかくなっています。
最低でも30分ほど時間をあけてから歯磨きをしましょう。
・水やお茶で口をゆすぐ
飲食後に軽く口をゆすぐだけでも効果があります。
・フッ素を活用する
フッ素は歯を酸に強くする働きがあります。
6.酢をよく摂る人が気をつけたい生活習慣
以下に当てはまる方は、特に注意が必要です。
・毎日酢を飲んでいる
・ダイエット目的で黒酢を飲んでいる
・酢の物が好き
・炭酸飲料やスポーツドリンクもよく飲む
・歯ぎしり・食いしばりがある
これらが重なると、歯へのダメージは加速します。
歯科医院での定期的なチェックと、フッ素塗布やクリーニングを受けることで、酸蝕症の予防が可能です。
7.歯が溶けているかどうかの見分け方
次のような症状があれば、早めの受診をおすすめします。
・歯の先が透けて見える
・表面がツルツルしすぎている
・冷たいものがしみる
・歯の形が変わった気がする
・以前より歯が短くなった気がする
初期の酸蝕症は自覚症状が少ないため、定期検診でのチェックが非常に重要です。
8.まとめ
酢は健康に良い一方で、摂り方を間違えると歯にダメージを与える可能性があります。
しかし、
・摂取方法を工夫する
・口腔ケアをしっかり行う
・定期的に歯科検診を受ける
これらを意識すれば、酢を楽しみながら歯を守ることができます。
歯は一度溶けると元には戻りません。
だからこそ、「予防」と「正しい知識」がとても大切です。
トータル歯科・矯正歯科湘南辻堂では、酸蝕症のチェックや生活習慣に合わせた予防指導も行っています。
「最近、歯がしみる気がする」
「酢をよく摂るけど大丈夫か不安」
そんな方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。